先祖のはなし

彼岸花が綺麗に咲く時期になりました。
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最近「終活」という言葉を耳にするようになりました。
「就活」をもじったもので、人生の最期を自分らしく締めくくるための活動のことです。お葬式のことや相続のことなどを予め決めておくことを指します。
お葬式も多様化して、神式や仏式、キリスト教式以外にもさまざまな形式があります。

先日、ロボットのPepperがお坊さんの格好をして木魚を叩きながらお経を読んでいる姿がニュースで紹介されていました。
「IT葬儀」というものをある企業が開発したそうです。
デジタル化が進んでいるとはいえ、その映像になんとも言いようのないものがこみあげてきました。
ロボットですから「無」の境地であることは間違いないですが、読経や説法ができるとは・・・
度胸がありますね。

お葬式といえば仏教だけのもののように思われがちですが、神道でもお葬式を行います。これを神葬祭(しんそうさい)といいます。
もともと神道や儒教では喪主以下の人びとが自ら葬儀を執り行っていました。それが明治時代に入り禁止され、神職が喪主の代わりに葬儀を行うようになりました。
ですから、神道では喪主の気持ちに寄り添った「自葬」の精神で神職が奉仕するのです。
決してロボットなどに頼らない、人の心が通ったお葬式をしているわけです。

日本人の祖先まつりは、もともと神道式で行っていたのが、仏教伝来以降、いつのころからか仏式の祭儀や法要などが盛んになりました。
例えば、春秋のお彼岸やお盆などに祖先の御霊をまつりますが、それはもともと神道で行っていたものです。

神道では、人が亡くなるとその御霊は位牌に相当する霊璽(れいじ)に遷され、家のご先祖の御霊舎(みたまや)にまつられ、一家の守護神となって子孫の繁栄と幸福を見守っているとされています。
大切な人との別れはたいへん悲しいことです。
しかし、いつも身近に見守ってくれているのです。

伊勢神宮外宮の神職だった中西直方は『死道百首』の中で、

  日の本に 生まれ出でにし益人は 神より出でて 神に入るなり

と詠んでいます。

祖先の神々から生まれ出て、亡くなるとまた祖先の神々の元に戻っていく。日本人の死生観をよく表している和歌です。
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私たちの祖先は決して遠いところに去ってしまうのではなく、いつも氏神さまとともに見守ってくださっているのです。
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高忍日賣神社宮司

Author:高忍日賣神社宮司
全国唯一、産婆・乳母の祖神をお祀りする高忍日賣(たかおしひめ)神社宮司のブログ。愛媛県伊予郡松前町徳丸鎮座。
宮司がふと思ったことや日常の出来事など、あまり気張らずに書いております。

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