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新元号に希望をのせて

4月1日、新元号「令和」が発表されました。出典は『万葉集』巻五「梅花歌三十二首」の「題詞」にある「于時初春令月 氣淑風和」(時に、初春の令月にして、気淑く風和ぎ)という語句とされています。「題詞」とは詩歌の背景や趣旨を説明する序文のことで、奈良時代の歌人、大伴旅人が730(天平2)年に自邸で開いた「梅花の宴」について記されています。日本の古典が元号に使われるのは初めてのことです。

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さて、そもそも元号とは何なのか、今回は宮司なりにちょっと整理してみたいと思います。
現在は「平成」ですが、5月1日に新天皇が即位されるにあたり、元号も改められます。これは明治元年(1868)9月8日の詔により、天皇一代の年号を一つだけという「一世一元の制」によるものです。

改元の理由としては、御代替わりに際して行われる「代始改元」、天変地異などの災厄を断ち切る「災異改元」おめでたいことが起きたことを祝う「祥瑞改元」などがあります。

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もともと年号は、東アジアの国々で年を表現する方法の一種。中国前漢の武帝のときに「建元」と号したのが始まりとされ、日本では大化の改新(645年)のときに「大化」としたのが初見で、現代の「平成」まで実に1400年近くにわたり247もの元号が使い続けられています。
これまでで一番長かった元号は「昭和」の64年、次が「明治」の45年です。「平成」の31年は4番目。
元号は中国の古典などからおめでたい文字を選ぶのが前例となっていました。
また、平成までは72文字が使われ、一番多かったのは「永」の29回。「令」は初めてだそうです。基本的には漢字2文字ですが、「天平勝宝」など4文字のものも5回ありました。
今回の「令和」は日本の古典からの出典で、初めて使われる漢字が入っています。
安倍首相の談話にあったように、人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ。梅の花のように、日本人が明日への希望を咲かせる国でありますように、新しい御代もまた永く平穏でありますようにと念じて止みません。

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元号は、皇室の長い伝統と国家の安泰と国民の幸福への深い願いと共に、1400年近くに渡る我が国の歴史を紡いできました。
今回、天皇陛下のご譲位による「御代替わり」は、江戸時代後期の光格天皇以来、実に200年ぶり、日本国憲法下では初の出来事です。
今上陛下は昨年12月23日のお誕生日に「来年春に私は譲位し、新しい時代が始まります。多くの関係者がこのための準備に当たってくれていることに感謝しています。新しい時代において天皇となる皇太子とそれを支える秋篠宮は共に多くの経験を積み重ねてきており、皇室の伝統を引き継ぎながら、日々変わりゆく社会に応じつつ道を歩んでいくことと思います」とのお言葉を述べられています。
天皇陛下のご在位30年をお祝い申し上げ、新天皇のご即位を慶祝いたし、希望に満ちあふれた明るい平和な時代が永遠に続きますようにお祈り申し上げます。
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高忍日賣神社宮司

Author:高忍日賣神社宮司
全国唯一、産婆・乳母の祖神をお祀りする高忍日賣(たかおしひめ)神社宮司のブログ。愛媛県伊予郡松前町徳丸鎮座。
宮司がふと思ったことや日常の出来事など、あまり気張らずに書いております。

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